2009 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ肝臓を用いた次世代の肝臓移植に関する基礎研究
Project/Area Number |
20249058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上本 伸二 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (40252449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (00245044)
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Keywords | 肝臓移植 / キメラ肝臓 |
Research Abstract |
我々は今日の肝臓移植医療を取り巻く困難を乗り越える戦略としてscaffold(足場)に注目した再生肝臓の利用を目指している。その基礎研究としてuPA/SCIDマウス内にて異種動物であるラット肝細胞を再生させたキメラ肝臓を作成し、それをラットに移植する系を作成した。そしてキメラ肝臓をラット・レシピエントに移植することで、移植後のキメラ肝臓がレシピエント体内で長期に生着することを確認してきた。本研究では、キメラ肝臓そのものの詳細な機能評価、並びにキメラ肝臓移植によって引き起こされる免疫反応検討、キメラ肝臓自体の異種成分の更なる置換を柱とした。ナガセ無アルブミン・ラットをレシピエントに用いてアルブミン産生能を評価し、術後2ヶ月にわたりキメラ肝臓が産生するラット・アルブミンをレシピエント血中で認めた。また、キメラ肝臓のlife-support能を評価する目的で、レシピエント・ラットの致死的肝切除モデルの作成を行っている。キメラ肝臓に対するレシピエントの免疫反応を抑制する目的でtacrolimus連日投与に加え、cyclophosphamideの術前投与を行い、キメラ肝臓のviabilityの維持に効果があることを示し、組織学的にも上乗せ効果を示した。キメラ肝臓のマウス由来成分をラット成分に置換する研究として、そのモデル作成の為にSCIDマウスを用いて、crotalineを投与して肝血管障害を引き起こし、それにラット由来骨髄細胞や血管内皮細胞を移植した。crotaline投与量や移植細胞数などの至適なプロトコルおよびscaffoldマウスに対する放射線照射による肝血管障害の可能性を検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)