2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔における免疫応答制御機構の解明と樹状細胞を標的とした新規制御法開発
Project/Area Number |
20249075
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 英徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70332997)
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Keywords | 免疫 / 口腔粘膜 / 樹状細胞 / 歯髄 / 免疫療法 |
Research Abstract |
口腔粘膜および歯髄における免疫応答の特性を明らかにする為に、口腔に存在する樹状細胞(DC)の機能的特性と免疫制御メカニズムを解明し、DCを標的とした新規局所免疫制御法開発に向けた基礎的な検討を行うことが本研究の目的である.サブテーマ1の口腔粘膜DCの機能解析では、抗原を捕獲し口腔粘膜から所属リンパ節に遊走したDCを昨年までの3亜群ではなく、CD207陽性ランゲルハンス細胞(LC)と粘膜下DCをさらに区別した4亜群に分類し、各亜群における共刺激分子発現を検討した結果、他の遊走DCと同様の高いCD86やCD40発現にも関わらず,B7-H1/B7-DC発現が遊走LCにおいて低下していることを明らかにし、LCの寛容誘導との関連が示唆された,サブテーマ2では、咬頭切削後に歯髄から所属リンパ節に遊走するDCの同定の試みを行ったが、辺縁封鎖や象牙細管への到達性などの技術的な困難により標識マーカーによる直接のトレースに成功しなかったが、CD11b/B7-DC/CD86の強陽性分画に歯髄からの遊走DCが含まれることが示され、CD11b強陽性細胞を集めることで機能解析を進めていく方針が示された.サブテーマ3におけるDCを標的とする免疫療法開発では、局所皮膚DCにおいて、CD86 siRNAを用いてCD86発現を抑制したり、中和抗体を用いて皮膚ランゲルハンス細胞と角化細胞相互作用におけるGITR-GITRL経路を阻害すると、局所ケモカインとケモカイン受容体発現を制御し、皮膚への血管系を介したDCやマクロファージのリクルートを郡著に抑制することが明らかになり、樹状細胞に発現誘導される共刺激分子の新たな局所免疫および自然免疫における働きを明らかにした.このことから、局所におけるDC表面機能分子の発現や機能制御は、自然免疫とそれに引き続く獲得免疫の両者を効果的に制御できる可能性が示された.
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Research Products
(27 results)