Research Abstract |
難治性根尖性歯周炎あるいは慢性根尖性歯周炎の根尖孔外および感染根管より得られた105のバイオフィルムサンプルより,16S rRNA遺伝子を増幅し,プラスミドライブラリーを作製した。14サンプルについては,シークエンサーにより細菌を同定した。根尖孔外(n=10)と根管内(n=4)サンプルからの細菌の検出頻度は100%で,14試料すべてからuncuitured bacteriumが検出された。根尖孔外バイオフィルムからは,Porphyromonas gingivalis, Tanerella forsythensis(forsythia), Prevotella sp., Porphyromonas sp.が5試料以上から検出され他,Prevotella intermediaやCapnocytophaga sp.などの歯肉縁下のバイオフィルム構成細菌種が多数検出された。感染根管内のバイオフィルムにおいてもPorphyromonas sp.が全試料から検出され,Fusobacterium nucleatumやP.gingivalisの他,Prevotella sp., Eubacterium sp, Bqcteroides heparinolyticus, Actinomyces sp.といった細菌種が検出された。現在さらにバイオフィルムサンプルを収集するとともに,遺伝子を抽出したサンプルのシークエンシングを,同時平行的に行っている。 また,前年度に行ったP.gingivalis ATCC33277株のバイオフィルム形成過程における遺伝子発現の経時的変化に関するマイクロアレイ法のデータをもとに,バイオフィルム形成に関わっていると推察される10遺伝子を抽出した。そして,PGN0088, PGN0098, PGN0152, PGN0845, PGN1309, PGN1924の6遺伝子についてエレクトロポレーション法により欠失株を作製し,そのフェノタイプに関する機能解析を行っている。
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