2010 Fiscal Year Annual Research Report
短縮歯列への補綴介入に関するマルチセンター・リサーチ
Project/Area Number |
20249077
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
五十嵐 順正 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20107303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
前田 芳信 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (10144510)
馬場 一美 昭和大学, 歯学部, 教授 (80251536)
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Keywords | 短縮歯列 / マルチセンター・リサーチ / 咀嚼能力 / 口腔関連QOL / 部分床義歯 |
Research Abstract |
歯の欠損を全て補綴し28歯の歯列に回復することは,長らく伝統的な補綴治療のゴールとされてきた.これに対してオランダのKayserは,大臼歯の遊離端欠損に対して可撤性義歯による補綴をしないことを治療のゴールとすることを提唱した.このコンセプトは,欧州では広く受け入れられているが,本邦ではその適用と限界について結論は得られていない.そこで,本研究では,臼歯部遊離端欠損(短縮歯列)を有する患者への補綴治療(部分床義歯またはインプラント義歯)により,患者の口腔関連QoLおよび主観的または客観的咀嚼能力が向上するかどうか,補綴装置の種類(部分床義歯またはインプラント義歯)により,口腔関連QoLと咀嚼能力の回復の程度が異なるのかを明らかにすることを目的とした.平成22年度は,補綴介入を行わない経過観察グループでのフォローアップ評価及び治療グループでは治療後にOHIP-J54を用いた口腔関連QoLの評価,食品摂取状況アンケートを用いた主観的咀嚼能力の評価,試験用グミゼリーを用いた客観的咀嚼能力の評価を行い,データ解析と統計分析を行った.ベースライン評価を行った168名(平均年齢63.6歳,男性割合25%,経過観察70名,部分床義歯68名,インブラント義歯30名)の内,3ヶ月で112名,6ヶ月で90名,12ヶ月で80名のフローアップ評価を行った.その結果,経過観察グループでは,口腔関連QOLと主観的・客観的咀嚼能力に変化は認められなかったが,治療グループでは治療後に口腔関連QOLと客観的咀嚼能力に統計的に有意な向上が認められた.以上のことから短縮歯列に対する補綴治療の有用性が示唆された.
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 短縮歯列への補綴介入に関する多施設共同研究-研究の概要と補綴介入に関与する因子-2010
Author(s)
五十嵐順正, 笛木賢治, 吉田英子, 前田芳信, 池邉一典, 馬場一美, 塚崎弘明, 古谷野潔, 荻野洋一郎, 赤川安正, 是竹克紀, 佐々木啓一, 小山重人, 窪木拓男, 荒川光, 春日井昇平, 近藤尚知, 黒田真司
Organizer
日本補綴歯科学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2010-06-12
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[Presentation] 短縮歯列への補綴介入に関する多施設共同研究-ベースラインの患者立脚型アウトカム-2010
Author(s)
笛木賢治, 五十嵐順正, 吉田英子, 前田芳信, 池邉一典, 馬場一美, 塚崎弘明, 古谷野潔, 荻野洋一郎, 赤川安正, 是竹克紀 佐々木啓一, 小山重人, 窪木拓男, 荒川光, 春日井昇平, 近藤尚知, 黒田真司
Organizer
日本補綴歯科学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2010-06-12