2008 Fiscal Year Annual Research Report
非/低病原性腫瘍特異的感染ウィルス成分による癌明示システムの開発
Project/Area Number |
20249080
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丹沢 秀樹 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
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Keywords | シンドビズ / ウィルスカプシド / 腫瘍特異的吸着 |
Research Abstract |
まず低炳原性ウイルスであるシンドビスの腫瘍特異的吸着能を有するリガンド成分を組み合わせたリポソームの検討を行った。 リポソームの組成に関しては、ウイルス蛋白を融合できる許容性と、経時的、物理的安定性を持った組成として、基本脂質に、細胞膜主成分であるphosphatidylcholine、Cholesterolへ、phosphatidylserineを加えることによりが条件を満した。さらに、ネガティブ染色を行い電子顕微鏡下で形態学的評価を行ったところ、リガンド成分と融合処理したリポソームの表面にはリガンド成分の融合が確認できた。 次に、腫瘍特異的吸着能を有するリガンド成分は、エンベロープタンパク内にあることから、超遠心濃度勾配濃縮法にて、全エンペロープ蛋白を精製した。 次に、マーカーとしてはリポソームの内水層へ標識する、GFP蛋白、rhodamin蛋白、FITC-dextranと、リポソーム脂質内に標識するFITC脂質、rhodamine脂質を検討した。結果、吸着と蛍光評価には、0.5mMrhodamin蛋白溶液、あるいは、5mMFITC-dextran溶液の内包か、FITC脂質、あるいは、rhodamine脂質による脂質へ標識が有効であった。内水層へ蛍光標識より、脂質への標識のほうが感度は高かった。蛍光の特異性はFITC-dextranが高い傾向にあった。以上から、FITC-dextranを内包して、rhodamin脂質にて蛍光標識をリポソームへ、精製したリガンド蛋白を融合処理し、癌細胞株(口腔癌、肺癌、抗癌剤耐性株)と正常細胞株へ、脂質濃度0.2mMでリポソームを添加培養したところ、癌細胞株では、リガンド蛋白と融合処理したリポソームが特異的に吸着・蛍光していることを確認できた。 今後、腫瘍特異と蛍光効率の高い成分条件を、蛍光観察機器も含め検討していく。
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