2009 Fiscal Year Annual Research Report
非/低病原性腫瘍特異的感染ウィルス成分による癌明示システムの開発
Project/Area Number |
20249080
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丹沢 秀樹 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
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Keywords | 低病原性ウイルス / 腫瘍特異性 / 癌明示化 |
Research Abstract |
本研究は、シンドビスウイル(SIN)成分をハイブリッド化した腫瘍特異的リポソームが多くの種類の癌細胞株へ特異的に吸着することに着目し、癌細胞を色素標識して明示化し、生体内での追跡実験や手術の際のナビゲーション・システムを開発することを目的としている。 今年度は、まず、前年度に引き続き、さらに多くの種類の培養癌細胞株にハイブリッド型リポソームが吸着することを確認した。次に、in Vivoにおいて、開発した腫瘍特異的リポソームの血中内安定性を向上させるための改良を行った。すなわち、ポリエチレングリコール(DSPE-PEG2K)を付加した改良ハイブリッド型リポソームに関して、癌特異的吸着能の定量をフローサイトメトリーにて行ない、吸着能の向上を確認した。次に、rhodamin色素を用いた細胞吸着発色実験を行った。シンドビスを修飾したもの(SIN Liposome NS)は、修飾しないもの(Liposome NS)と比較して、蛍光量の平均値の上昇が、各種癌細胞で135%から200%の範囲で確認できた。さらに、リポソーム内封物の送達性を検討するため、rhodamin蛍光標識したリポソームへFITC-dextranを内封し、癌細胞株へ添加後、共焦点顕微鏡(オリンパスFLUOVIEW FV10i)で観察したところ、SIN liposomeでは細胞膜にrhodamin色素があり、細胞内にFITC蛋白の存在を確認した。以上の結果から、SINリポソームは腫瘍吸着性と送達性を有すが、SIN成分による傷害性はないこと、また、明示化物質が脂質溶解性でも水溶性でも使用可能であることが分かった。 今後、担癌マウスでの特異的腫瘍集積性が向上するように、リポソームの組成・構造、明示化物質のさらなる検討をすすめる予定である。
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Research Products
(3 results)