2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者訪問看護質指標を用いたインターネット訪問看護支援システムの有効性検討
Project/Area Number |
20249086
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 則子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90280924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 和子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80073089)
金川 克子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (10019565)
本田 彰子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (90229253)
正木 治恵 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (90190339)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (70285542)
|
Keywords | 質評価 / 訪問看護 / 高齢者 / 情報工学 |
Research Abstract |
訪問看護の質保証のための簡便で有効な支援システムの構築が必要という認識に基づき、本研究は、(1)我々がこれまで開発してきた「高齢者訪問看護質指標」の効果を測定し、有効性を確認すること、(2)インターネットのウェブサイトを用いた高齢者訪問看護の支援システムを確立すること、を目的として調査を実施している。質指標を用いた看護師による実践の自己評価と、学習を助けるためのインターネットのウェブサイトによる情報提供を行うことを介入とする。領域別にプロセス評価・アウトカム評価の指標を決定し、看護記録レビュー及び家族への質問紙調査等により効果を把握する。 今年度は摂食・嚥下ケア・終末期ケア・栄養ケア・転倒予防に関する質指標を用いた介入を終了し、排便ケア・口腔ケア・リハビリテーションの各領域での調査を開始した。終末期ケアの領域では、質指標の一部の項目で、介入前後の自己評価に有意な改善が見られた。終末期ケアでは一部のステーションで現在も介入が継続しており、その他の領域のデータは分析中である。ステーション全体の看護師を対象とし利用者の協力も得つつ行う調査には困難があったため、個別の訪問看護師による参加も開始した。今後更なる周知により参加を募ってゆきたい。 今年度はさらに、IT関連機器・インターネットを介した訪問看護師への教育支援の可能性を探るために、訪問看護におけるIT関連機器やインターネットの使用に関する全国調査を実施した。訪問看護ステーションのほぼ全数にインターネットに接続されたPCが配備されていたが、台数にはばらつきがあり、ネット検索を自由に行うには限界があるようだった。また、業務中にインターネットを用いた隆験があるという回答は回答者の8割弱に及んだが、多くは利用者の病態や薬剤に関する検索に活用しており、看護実践内容に関する検索は限られていた。訪問看護師はインターネットによるコミュニケションには「顔の見えない相手」という不安を持っており、今後ITやインターネット活用に関する支援が必要と思われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)ウェブサイトに掲載する情報の構築と、わかりやすく使いやすいサイトのデザインに時間がかかっている。 2)調査参加者のリクルートに時間と費用がかかり、1年間継続して参加していただくのが難しい(看護師の退職等が多い)。そのため参加者数が限られ、サイトへの書き込みが停滞しがちである。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)サイトのデザインに関して専門家を雇用する。情報の蓄積と効果的な発信に努める。 2)最終年度であるため、試験的にサイトを公開し、アクセスや書き込みの状況を把握したい。 3)質指標をより使用しやすく、新たな情報を含めたものに改訂する。
|