2008 Fiscal Year Annual Research Report
ケニア西部の土地荒廃地域における地域環境の保全と地域文化に関する学際的研究
Project/Area Number |
20255009
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅沼 修一 Nagoya University, 農学国際教育協力研究センター, 教授 (60159374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 眞人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20092190)
星野 光雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 名誉教授 (40023626)
佐々木 重洋 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00293275)
槇原 大悟 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 准教授 (70452183)
桂田 祐介 名古屋大学, 学生相談総合センター, 研究員 (40456710)
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Keywords | 人間生活環境 / 保全農業 / 地域環境管理 / 地域文化 / ガリー侵食 / ルオ族 |
Research Abstract |
ケニア西部ビクトリア湖岸で、土壌侵食が住民の生活を脅かす大きな環境破壊となっている地域を調査対象地とし、農学(土壌肥料、作物、農業経済)、地質学及び文化人類学の専門分野を異にする学際的な研究チームが、1)土壌侵食メカニズムの解明と対策技術の検討、2)土地利用及び植生被覆の現状と過去の変遷の解明、3)作付体系や農業技術等の現状と過去の変遷の解明および改善方策の検討、及び4)地域住民の社会組織・精神生活に関する調査を行う。土壌侵食に対するヒューマンインパクトを明らかにし、この問題の緊急性と危険予測の指摘及び地域資源等を有効に活用した保全農業方式を検討して、地域住民の側に立った地域環境管理方策を提言することを目的とする。 平成20年度は、ケニア・マセノ大学のProf.J.C.Onyango(作物学)を中心とする土壌、農業経済研究者との共同研究体制を、また、ビクトリア湖岸地域の開発を業務とするビクトリア湖岸地域開発公社(LBDA)およびケニア国立農業研究所(KARI)キボス試験場と研究協力体制を築いた。全員が2組に分かれて現地調査に入り取り組む問題の共有を図った。土壌の特徴を調べるためKatok-Kodeyoに広がるガリー侵食断面から土壌試料を採取し予備的に化学分析して詳細分析につなぐ結果を得た。また土地利用の現状解析のためR/NIR光反射率で植生を分析し、他の手法での検討が必要なことが分かった。農家調査では、SonduタイプとAwachiタイプの2つの異なるガリー侵食が起こっている村落の農民を対象に事前調査を行い、自然的条件と社会的条件の両面に係わる今後の重点調査項目を明らかにした。それに基づいて約3ヶ月の滞在調査を行い過去57年間の降水量データの収集や家畜の放牧状況と村人の生活を観察した。その解析は次年度に行う。
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