2010 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア西ジャワ農村部における地域の持続可能性と健康
Project/Area Number |
20256002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 知保 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70220902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
中崎 美峰子 富山県衛生研究所, 環境保健部, 副主幹研究員 (40416087)
吉永 淳 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (70222396)
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30292725)
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Keywords | 持続可能性 / 化学物質 / 曝露評価 / アジア発展途上国 / 健康調査 / 成長曲線 |
Research Abstract |
1.23年4月に西ジャワにおいて現地調査を実施.チタルム川流域の2集落の,過去に調査を行った約50世帯を再び対象として食物摂取頻度調査を実施した.この結果を,過去の調査結果と対比して,急激な生業変化を遂げているこの地域における数年の短いスパンの中で,食生活の変化が認められたのか否かについて検討する予定である. 2,過去の調査においてこれらの農村部においてプラスティック製品がとくに食品包装に頻用される事がわかっており,そこから溶出するフタル酸類への曝露が考えられた.東南アジア・南アジアで広域に実施した調査からもフタル酸類への曝露が示唆されていた.この可能性を検証する目的で,上記の調査対象者より尿サンプルを集めた.この試料についてフタル酸類代謝物の分析を行なうために,GC-MSについての条件検討を行ない,分析条件を整えた. 3.これらの集落では2003年から学童を対象に身体計測を実施してきた.学童は2003年当時の約3分の2程度の人数が集落に現在も居住していた.WHOの発表している成長曲線と比較した場合,身長においては男女とも低身長であり,相対的な位置づけに大きな変化がなかった.一方,体重に関しては,WHOのデータでは既に男女の差が現れる年齢に達しているにもかかわらず,対象地では男女差は現れていなかった.これが,この地域において全体に成長が遅いせいなのか,あるいは成人で女性にのみ強い肥満傾向が認められることと関連しているのか,例数を増やすとともに,継続した観察が必要であると思われた. 4.西バンドン県の政府統計局ならびに保健局を訪問し,保健・人口関連のデータを入手した. 5.化学物質への曝露の探索的評価については,農薬分析の前処理法として用いられるQuEChERS法を生体試料の前処理法に適用する手法について検討を行い,これを確立した.
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Research Products
(4 results)