2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子相関ゲームによる古典・量子両面での離散・連続最適化と計算量の新展開
Project/Area Number |
20300002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
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Keywords | 量子コンピュータ / 量子エレクトロニクス / アルゴリズム / 計算機システム / 離散数学 |
Research Abstract |
本研究では、量子相関ゲームを量子力学・量子情報科学の本質的モデルとして研究軸に据え、それによって量子計算によってのみもたらされるパワーを明らかにすることを離散と連続両方の最適化の方法論を軸に用いて解明していくことを目指している。本年度の研究においては、研究代表者の今井は、研究協力者たちの支援を得て、量子情報処理の研究を量子子相関ゲームに関して進めるとともに、新たに計算離散幾何の手法を適用できる量子情報処理を開拓して問題の解決に取り組むことも試みた。 具体的には、多項式計画そのものの研究進展も数理計画全般の中で推進・注視し、それを本研究計画に反映させて量子相関ゲームでの最適化技法に融合させるという課題に取り組んだ。計算においては、半定値計画および多項式計画の並列実装の活用など、より大規模な問題が解けるようにした。さらに整数線形計画問題に対する代数的解法の活用についても検討した。この一連の最適化を、最先端計算環境を活用して実際的に解くことに重点をおいて研究を進め、それによって、量子相関ゲームや関連した量子もつれの組合せ代数幾何的解析を計算の観点から進めることも行った。 量子コンピュータの1つのモデルとして研究されているKane型量子コンピュータそしてその波及する分野を新たな研究対象とし、表面原子操作を隣接原子交換列によって実現させる問題について、離散グラフアルゴリズムと計算幾何データ構造を融合させることで、効率よく最適な隣接原子交換列を求めることを実現させた。 こうした各テーマの研究遂行と並行して、研究統括として全体の研究の進捗状況を把握して、計画通りに進んでいる部分と予想外の問題に直面して難航している部分とを明確にし、最終年度となる翌年にむけての研究計画全体の調整も行った。また、得られた成果については随時国内外の学会・論文誌等において研究発表を行い、周知に努めた。
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Research Products
(4 results)