Research Abstract |
無数のセンサーが生活環境の中に埋め込まれ,ネットワークで相互に通信を行なうユビキタス・ネットワーク環境上で稼働するユビキタス・アプリケーションは,センサーから得られるデータの意味を解釈し,現実世界の人やモノの状況を推定し,状況に応じて柔軟に適切なサービスをタイムリーに提供できなければならない. 従来,独自センサーや特定センサーを対象としたアプリケーションの開発等が個別に多数行なわれてきたが,今後はユビキタス・アプリケーションの開発を容易にし,増加する多種多様なセンサーを有効活用するために,複数のアプリケーションから共通に利用可能なミドルウェアが不可欠となる. そこで本課題は,現実世界におけるセンシング対象の構造や関係を表現するマルチエージェント機構を導入したオープンなミドルウェアを開発する.平成22年度は,前年度の試作結果を統合化し,アプリケーション開発実験を通じた評価を実施した.各機構の評価については,1.構造エージェント機構の評価・改良を行ない,機構を完成させると共に,構造エージェントパターンの構築を完了させた,2.関係エージェント機構の評価・改良を行ない,機構を完成させると共に,関係エージェントパターンの構築を完了させた,3.横断的な情報(アスペクト)収集の抽象化とアクセス機構を提供するアスペクト指向エージェント機構の評価・改良を行ない,機構を完成させると共に,情報利用ポリシー制御機構イベント通知小型移動エージェントの評価を実施した.ミドルウェア統合化とユビキタス・アプリ開発実験については,上記各機構の試作結果をミドルウェアとして実装・統合化し,ユビキタス・アプリ開発実験で研究成果を確認した.
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