2009 Fiscal Year Annual Research Report
動的ネットワークにおけるSelf-*分散アルゴリズム設計手法の研究
Project/Area Number |
20300012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角川 裕次 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80253110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 利光 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20362650)
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Keywords | 分散システム / 分散アルゴリズム / 自己安定システム / センサネットワーク / Peer-to-Peerネットワーク |
Research Abstract |
本研究課題は多数の計算ノードがネットワークで結ばれた分散システムにおける分散アルゴリズム設計手法を研究するものであり、特にネットワークトポロジや参加ノードが変化する動的なネットワークにおける適応性や自律性に注目して研究を進めている。今年度は、Self-*性を有する分散アルゴリズムに関し、研究実施計画に沿って、情報管理の基本となるクラスタリングアルゴリズムの提案とその実装実験、生物に学ぶ手法を取り入れた経路制御アルゴリズム、高抽象度アルゴリズム記述と実装との差異の比較、などを実施した。 1 アドホックネットワークやセンサネットワークでの情報管理に有効なノードのクラスタリングに関し、アトラクタ選択と呼ばれる概念を用いることで、ノードの移動等に対しても安定性の高いアルゴリズムを提案した。提案アルゴリズムはシミュレーションで評価してその有効性を示したことに加えて、センサネットワークの実機(Sun Microsystems社SunSPOT)に実装して評価実験を行い、その有効性を実証した。 2 アドホックネットワークにおける通信の基礎となる通信の経路制御に関して、ノード移動に自律的に適応する手法を開発した。提案手法はACOと呼ばれる生物に学んだ方法を基本とし、経路の頑強さの評価と経路切断の可能性を予測する新たな手法を提案することで、性能の向上を行った。 3 センサネットワークでの分散アルゴリズム設計を容易化するCSTと呼ばれるアルゴリズム変換手法において、変換によるアルゴリズムの正しさが保証される場合と保証されない場合があることを示し、アルゴリズム設計容易化の際の指針を理論的な側面より与えた。
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Research Products
(11 results)