2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的ネットワークにおけるSelf-*分散アルゴリズム設計手法の研究
Project/Area Number |
20300012
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角川 裕次 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80253110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 利光 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20362650)
|
Keywords | 分散アルゴリズム / 分散システム / ネットワーク / センサネットワーク / アドホックネットワーク |
Research Abstract |
今年は、交付申請書に記載した研究実施計画に沿って、大規模分散ネットワークにおけるSelf-*性の研究を、(1)動的トポロジ変化に強靭な通信プロトコルと(2)プロセス間同期機構の2点に関して研究を実施した。(1)に関しては、葉数最大生成木を求める自己安定分散近似アルゴリズムを設計した。葉数最大生成木は、ネットワークにおける生成木の中でも葉の数が最大なものを求める組み合わせ最適化問題である。葉数最大生成木の重要な応用は、センサネットワークにおける効率の良いデータ収集である。設計したアルゴリズムは自己安定性を有し、トポロジが変化をしても自律的に追従をするという好ましい性質を有している。また、近似アルゴリズムとしているので、最悪時でも解の品質を保証している。また、(1)に関して、間欠的にパケット損失が発生するセンサネットワークで動作する自己安定アルゴリズムの理論的解析も行った。システムおける正常な状況が静的でなく動的に変化するアルゴリズム設計問題において、間欠的なパケット損失が発生しても正しく動作が保障されるための十分条件を示した。そしてその条件を満たす例としてリングネットワークでの相互排除アルゴリズムを示し、その安定時間の解析を示した。(2)に関しては、プロセス間での一般化された資源割り当て問題を解く、分散アルゴリズムを提案した。提案アルゴリズムはこれまでに研究されている、相互排除、k相互排除、グループ相互排除を一般化した問題を解いている。トークンを用いるが、資源要求の伝搬にコータリーを用いる点に特色がある。既存研究と比べ、提案アルゴリズムはより少ないメッセージ数で動作する点で優れている。
|
Research Products
(4 results)