2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的ネットワークにおけるSelf-*分散アルゴリズム設計手法の研究
Project/Area Number |
20300012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角川 裕次 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80253110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
大下 福仁 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20362650)
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Keywords | 分散アルゴリズム / 分散システム / センサーネットワーク / Self-* |
Research Abstract |
平成23年度は、以下の2点のテーマを中心に研究を進めた。(1)パケット損失が頻繁に発生する通信環境でのセンサーネットワークの自己安定分散アルゴリズム動作解析および、(2)センサーネットワークにおけるデータ集約で有用な連結支配集合オーバレイネットワークを形成する自己安定分散近似アルゴリズムの提案を行った。 研究テーマ(1)は、センサーノードが送信するパケットが確率的に消失するという通信モデルを用いて、サイレント(障害復帰後もセンサーノードが状態変化を続ける)型の自己安定分散アルゴリズムが正しく動作する十分条件を解明した。例えば、トークン巡回のようなアルゴリズムは正しく動作するが、一部の相互排除は正しく動作しないことが分かった。これまで非サイレント型の自己安定アルゴリズムに関する研究結果は知られていたが、サイレント型に対する研究結果は初めてのものである。また、リングネットワーク上でのトークン巡回アルゴリズムに対して、任意の状況から動作を開始したのち、正しい動作を行うまでの時間の期待値上に対する解析も行った。 研究テーマ(2)では、ノードクラスタリングの一種である、連結支配集合を形成する自己安定分散アルゴリズムを提案した。連結支配集合として選ばれたセンサーノード群は連結部分グラフを構成するため、選ばれたセンサーノードはクラスタヘッドとしてメッセージルーティングを行うことで、効率的なデータ集約が可能である。また、提案したアルゴリズムは近似アルゴリズムでもあり、組み合わせ最適化の観点から最小サイズの連結支配集合と比較して、提案アルゴリズムは高々6倍のサイズの集合を求めることを保証するものである。 以上2つのテーマにより、センサーネットワーク構築のための基本的な分散アルゴリズムを提案することができた。
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Research Products
(2 results)