2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット高親和型次世代マルチレイヤ衛星ネットワークに関する基盤研究
Project/Area Number |
20300021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 寧 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00236168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
タレブ タリク 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (30431547)
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Keywords | 衛星ネットワーク / 負荷分散 / パケットスケジューリング / 輻輳予測 |
Research Abstract |
本研究では、広域性、同報性が高い静止衛星ネットワークと、低遅延で移動端末との接続性が高いLEO(Low Earth Orbit)衛星ネットワークを強調させた次世代マルチレイヤ衛星ネットワークにおける衛星インターネット通信に関する研究を行っている。本研究の目標は、実用化に向けた次世代マルチレイヤ衛星ネットワークにおける衛星インターネット基盤技術の確立である。今年度はネットワークにおけるトラヒックの集中を防ぐ2つの手法を考案した。衛星ネットワークは一度構築した場合は地上ネットワークと異なり、ネットワークの使用状況に応じて特定の地域の通信容量のみを増強することが難しいため、トラヒックの集中を防ぐ手法は非常に重要な技術である。 1 つ目の手法はマルチパスルーティングにより作成された複数の経路にトラヒックを分散させるキューイング制御方式である。この方式では、各経路の帯域と遅延を指標としてトラヒックを分配するため、負荷の集中を防ぎ、遅延の最大値を低く抑えることができる。実際にシミュレーションにより、最も遅延が大きい経路において、遅延が改善されたことが確認できた。 2 つ目の手法はLEO衛星ネットワークにおける輻輳予測を用いたトラヒック制御方式である。ネットワークユーザは地理的要因や人口分布によって偏りがあるため、特定の地域に負荷が集中し、輻輳が発生しやすい。本手法では、この輻輳が発生しやすい地域を特定し、輻輳発生を予測する。そして、負荷が非常に大きい衛星へ流入するトラヒックを負荷が低い衛星へ迂回させることにより、負荷分散を行う。シミュレーションにより性能評価を行ったところ、パケットドロップ率や遅延、スループットの改善が確認できた。
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Research Products
(3 results)