Research Abstract |
Web上で公開され質の保証がされている知識資源を統合的に利用することにより,爆発的に増大し続けているWeb上のデータからより品質の高い情報を利用者の嗜好に応じて容易に探索可能とするための基盤技術について研究を行った.検索エンジン,オントロジデータ,ドメインデータの結果を相互利用することにより,問合せに対して,知識ベースや検索エンジン単独では得ることができない高品質の結果を提示するための基礎研究を行った. まず,大量のRDFデータを効率的に管理,検索する技術開発を行った.RDFのグラフトポロジ,述語の更新可能性,更新頻度,データ統計情報などに基づいたハイブリッド型スキーマを用いる格納方法を考案した.RDFの問合せ言語としては, W3Cでの標準化作業が進められているSPARQLが最もよく使われている.しかし,SPARQLは検索結果の適否を明確に決定できない情報検索的な問合せを表現することはできない.本研究の格納及び検索システムを構築する上では,SPARQLのみならず,Dynamic Concise Bounded Description(DCBD)を構築できる点を考慮した点に特色を持つ. 次に、知識資源を利用した高品質な情報の探索およびその結果の効果的統合と意味的相互補完技術の研究を行った.Web上の知識資源は,そのフォーマットがHTML, XML, RDF,静止画,音声,動画などが混在している.検索問合せに応じてこれらの異種データからの情報統合を行う場合,異なるソースからの情報の補完,あるいは異なるメディアの情報の補完手法の確立と利用者インタフェースの構築が重要である.本研究では,Web上の多様な知識資源を対象とし,人物のランキングを行う手法や,Wikipediaデータを対象として,二つの概念の関連性を検索する手法などを開発した.
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