Research Abstract |
本研究の目的は,テレビ番組やウェブ情報の中から,信頼性の高い情報を,内容の偏りなく動的に組織化・提示し,知識(いわば動的な百科事典)として利活用できる基盤技術を確立することである.具体的には,低信頼度情報の検出技術,コンテンツの組織化技術,ユーザインタラクション技術の各項目に関して,平成21年度は以下の研究開発を行った. 1.低信頼度情報の検出技術については,平成20年度に開発した重みづけ組成による情報比較手法の適用範囲を広げ,精度・性能の改良を図った.具体的には,レシピに記載される食材の基準として食品成分表の表記をベースにすることで,表記ゆれや単位関変換による材料名,分量,単位の検出精度を前年度に比べ向上させた.また,好みの味を比較的簡単に基準として登録できる手段を用意し,システムの有用性に関し被験者による主観評価を実施した.画面構成や操作,内容の信頼感,システムの好感度や有用性において概ね良好な結果を得た.統計情報や解説等についても適宜収集し,基盤データを拡張した. 2.コンテンツの組織化技術については,平成20年度に開発したコンテンツ間の関連性の発見とそれに基づく情報分布の分析手法の精度・性能の改良を図った.特に,エンティティ(人,組織,etc.)や事象間の相互関係に対する記述を分析し,グラフやネットワークを構築して組織化を行う技術を研究開発した. 3.ユーザインタラクション技術については,個々の内容に応じた表示属性や最適なレイアウトを動的に再構成・表示・制御するためのデータ記述形式について課題を整理し,上記2つの要素技術開発を踏まえた上でプロトタイプ作成の作業に着手することとした. 以上について,学会発表11件の成果を上げた.
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