2009 Fiscal Year Annual Research Report
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20300048
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
伊藤 裕之 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (40243977)
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| Keywords | vection / 自己移動感 / 実験心理学 / バーチャルリアリティ / 運動知覚 |
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| Research Abstract |
視覚刺激による自己移動感(vection)について、科研費によって雇用したポスドクと実験を行った。
1. 前年度観察した赤背景によるvectionの抑制について、ドット刺激の他に縞刺激を用いてその再現性を確認すると共に、輝度のセッティング時のアーティファクトの可能性を調べるために灰色背景の刺激でコントロール実験を行うなど詳細に検討した結果、やはり赤背景時にvectionが弱くなることが確認されたので、論文として発表した。
2. 前年度観察した運動残効と独立して存在するvectionの残効について、視覚的運動は変わらずvectionの強さのみが変わるよう刺激を立体配置し、vectionの残効が順応刺激のvectionの強さと相関することを確認した。
3. 視覚的に運動する領域が図地に分割されるとき、vectionが地によって起こることを実験的に確認した。ルビンの壷のパタンを使った場合、同一形状の意味のある領域を上下逆さまにすることにより図らしさを操作した場合等において、いずれも図らしくなる領域はvectionを起こしにくいことを証明し、論文として発表した。
4. 拡大する運動による前進のvectionと収縮する運動による後退のvectionでは、前進のvectionが弱いことが知られているが、両眼分離提示によって拡大・縮小のフローパタンを分解することにより、網膜鼻側領域の中心窩方向への運動刺激の有無がこの異方性を生み出していることがわかり、論文として発表した。
5. 前進するフローパタンの方向を能動的に変えることができる"運転者"とそれを受動的に観察する"乗客"においてvectionの強さを測定したところ、"乗客"においてvectionが強まることがわかり、論文として発表した。
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