2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300054
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新田 克己 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60293073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 学 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60214079)
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (90345372)
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Keywords | 論争 / 交渉 / インタラクション / ノンバーバル情報 / 時系列解析 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であることから,今まで開発してきた交渉支援ソフトウェアのモジュールを統合すると同時に,機能が不足しているモジュールを追加実装し,いくつかの論争記録を解析してその評価を行った。具体的には,以下の3つの課題の研究を行った。 (1)事例の収集と特徴抽出 TVの討論番組や,裁判員裁判の模擬評議記録を入手し,論点抽出や発言者ごとの発言傾向の分析を行った。分析のために,議論の参加者の発言の友好度を判定するモジュールと,発言者間のコミュニケーションを解析するモジュールを実装した。 (2)論争エージェントの実装 相手の発言に対して反論を自動的に行うシステムの機能として,従来は相手が論理的に完全な論証を提示しなければ適切な反論案を提示できなかったのに対し,論証スキーマの考えを利用し,相手の不完全な論証に関してもその隠れた前提条件を推測して,反論案の提示を行うモジュールを実装した。被験者実験の結果,従来の論争エージェントよりも反論案の提示能力を高めることを確認した。さらに,交渉においては,妥協案の提示や,選択肢の中から合理的な意思決定を行う必要があり,そのための新しい議論意味論の提案を行って,合意形成も支援する機能を論争エージェントに持たせることに成功した。 (3)論争エージェントの評価 遠隔地のエージェントとのコミュニケーションにおける臨場感を向上させるため,力覚インターフェースを用いたシステムの交渉における有効性を評価した。アンケート調査により,力覚インタフェースにより臨場感の伝達の効果があることを確認した。
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Research Products
(6 results)