2009 Fiscal Year Annual Research Report
"息づかい"のウェアラブル計測によるストレス被爆量の推定
Project/Area Number |
20300073
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 洋靖 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, デジタルヒューマン研究センター, 研究員 (30367073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 亨 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン研究センター, 研究員 (10344152)
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Keywords | ストレス / 体内音 / 心拍 / 呼吸 / コルチゾール / 日常行動記録 |
Research Abstract |
本研究では、日常生活下でのストレス計測技術の開発を目的とし、ストレス反応のウェアラブル計測技術、ストレス場面と個人反応特性の類型化、ストレス検知システムの構築を目指している。本年度は被験者実験に先行し、以下の3点に重点化し研究を進めた。 1.統制環境下でのストレス反応計測実験:11名の被験者に対し、ストレス負荷時の生理反応の計測実験を実施した。実験では、5分間の暗算および鏡映描写のストレス負荷を与え、実験前15分~実験後45分の心電図、呼吸波形、連続血圧および唾液中コルチゾール濃度を計測した。ストレスによる生理反応の変化を確認した。 2.日常生活環境下でのストレス反応計測装置の開発:平成20年度に試作したウェアラブル体内音計測装置について、2chから8chへ機能拡張を行い、8地点の体内音を同時計測可能にした。1名の被験者に対し、安静時の頸部、胸部、腹部体内音を同時計測し、ウェーブレット変換による時間・周波数分析を行った。その結果、心拍・呼吸の計測には頸部が適しており、腹部で消化器音の計測が可能なことが確認できた。さらに、平成20年度に開発した頸部体内音による心拍数、呼吸数の計測手法について評価実験によってその有効性を確認した。 3.日常生活環境下でのストレス反応計測実験:2名の被験者に対して、唾液中コルチゾール濃度の日内変動の計測実験を実施した。実験は平日と休日の各1日実施し、2~3時間間隔で唾液を収集した。分析の結果、コルチゾール濃度は起床後に最も高く、徐々に低下していく日内変動が確認された。また、休日よりも平日のコルチゾール濃度が高いことも分かった。さらに、平成20年度に構築したものと同等の性能を有する日常行動記録装置を2台追加製作し、実験環境を整備した。今後、日常生活における行動と体内音、生理信号の同時計測実験を行い、日常的なストレス負荷時の反応のモデル化を進める。
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