2008 Fiscal Year Annual Research Report
視聴触覚フィードバック遠隔操作における装飾器の性能評価
Project/Area Number |
20300079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢向 高弘 Keio University, 理工学部, 准教授 (20286652)
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Keywords | 遠隔操作 / 聴覚フィードバック / 視覚フィードバック / 触覚フィードバック / 装飾器 / アイトラッカー |
Research Abstract |
今年度は、聴覚装飾器の性能を向上させるためにレーザー距離計を新規導入した。これにより、操作対象物の位置を安定に正確かつ高速に計測することができるようになり、様々な音響装飾器を実験することができるようになった。まだ網羅的な評価を行うまでには至っていないが、滑らかに音程や音量を変化させるよりも、ある程度離散化して段階的な音響装飾を施した方が分かりやすいことがわかってきた。これは文脈効果を裏付けするものであり、今後Normanの提案する静的な7段階が最適であるかどうかや、あるいは動作に応じた動的な文脈付けの可能性などを検証していく予定である。また左右の音圧差を利用する音像定位能が予想以上に優れており、位置を知覚させるのに極めて効果的であることが再確認できた。 また、新たな聴覚装飾器創生のためにアイトラッカーを新規導入し、これまでに構築してきた視聴触覚伝送システムと融合する作業を行った。市販のアイトラッカーはWindows専用であったため、これをLinuxでも動作できるようにドライバソフトウェアの開発を行った。次に視聴触覚伝送システムとの融合実験として、アイトラッカーからの注視点情報をビデオストリーミングのエンコード方式にフィードバックし、操作者が注視している付近の映像のみを伝送する高効率なライブビデオストリーミングシステムを構築した。これを用いることで、操作性に影響を与えることなく映像伝送量を削減できる可能性が示唆された。人間の眼の場合、色を認識する錐体細胞が視野中心付近に多く分布することから、原理的には注視点付近より外は彩度情報を削減しても構わないはずであった。しかし実験結果からは、錐体細胞の分布以上に広範囲まで色を認識していることが分かった。
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Research Products
(3 results)