2009 Fiscal Year Annual Research Report
視聴触覚フィードバック遠隔操作における装飾器の性能評価
Project/Area Number |
20300079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢向 高弘 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20286652)
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Keywords | 遠隔操作 / 視聴触覚フィードバック / マルチメディア通信 / 装飾器 / バイラテラル制御 |
Research Abstract |
21年度は、20年度に実装した視学装飾器を用いて、より定量的な結果を得るための追加実験を実施した。レール上を移動する回転体の位置を遠隔地から操るという基本的なタスクは変えずに、通信遅延時間などの初期条件や目標位置制度などの境界条件を変えながら多くの実験データを獲得した。それらを分析した結果、映像提示の遅延時間を徐々に伸ばしていった場合、200msを超えると操作性が著しく低下し、500msを超えると視覚情報を与えない場合よりも操作性が低下する場合があることも分かってきた。このことは、ある程度遅れて届いた情報の価値が負になることを意味しており、遠隔制御システムにおける人間への提示情報は、ハードリアルタイムな情報であることが実証されたことになる。一般にビデオストリーミングなどのマルチメディア通信情報はソフトリアルタイムな情報であるとされていたが、これを覆す一例となった。 また今年度は、聴覚への装飾器の実装を行った。分析を簡単化するため、単一正弦波を搬送波とし、単純な変調方式である振幅変調と周波数変調の両方を実装した。これを用いながら、先に同様の遠隔操作を操作者に遂行させたが、あまり操作性を向上することはなかった。解析の結果、人間の聴覚にはなれによるキャンセルがあるため、緩やかな振幅変調や周波数変調では変化を知覚することができないことが分かった。そこで、回転体の位置を離散化し、離散的に振幅や周波数を変調するように変更したところ、操作性を向上できることが分かった。ただし、この方法では目標範囲の精度を向上することが困難であり、更なる工夫の必要性が明らかになった。
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