2009 Fiscal Year Annual Research Report
2色覚者の色覚メカニズムと色の見え方の解明-新しい色の感性への展開-
Project/Area Number |
20300081
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
篠森 敬三 高知工科大学, 工学部, 教授 (60299378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00252320)
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Keywords | 色覚 / 錐体応答 / 視覚心理物理学 / 感性応答 / ユニバーサルデザイン / 時間応答 / 色弁別 / 2色覚 |
Research Abstract |
本研究は,色彩環境の改善を図る上で必要不可欠な2色覚者の色覚メカニズムと色の見え方の解明を,色弁別能力と色名表現された色の見えとの不一致の解消に焦点をあてながら行うものである。様々な特性の測定,明度や錐体寄与の測定,色恒常性の測定などを通して,総合的に,仮説の検証と,2色覚者の色覚メカニズムと色の見え方の解明を行う。 平成20年度より引き続き実施したテーマ1「定量的特性データの測定」において先行研究を拡大し(1)色の見えと色弁別特性の測定と(2)色カテゴリーの測定を行った。2色覚者における色名,カテゴリーという比較的高次の色覚応答について,3色覚者や色弱模擬フィルタ装着の3色覚者との比較を含めて定量的データを取得した。 さらに,平成21年度よりテーマ2「色覚メカニズムを調べる」を開始し,(3)明度の評価実験の実験装置を構築し実験を行った。本実験では,2色覚者が明度を利用して色弁別を行っている可能性を検証するため,色票に対する色命名の結果(上記1)と,明度評価との結果を比較して明度依存性を調べる。平成22年度にも実験を継続し,データ解析とモデル化を実施する。 平成20年度より引き続き,S錐体のみを刺激する青パルスと黄色パルスに対する応答についてその比較を行った。同じ錐体刺激でも青の増分方向と黄色の減分方向ではその応答速度に差があることが示され,錐体信号の処理における非対称性が明らかとなった。平成21年度はさらに同様の実験を高齢者でも行い,輝度パルスに対する応答の場合(申請者の過去の研究)と異なり加齢効果は応答信号の減衰としてのみ発生し、時間遅れとしては生じないことを明らかにした。 また肌の色のみに依存して行う顔認識に対する色刺激順応の効果に関する関連研究も実施し,顔認識という高次作用においても色順応という低次作用レベル順応が影響することを明らかにした。
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[Presentation] 片眼への眼内レンズ挿入が無彩色の見えに及ぼす影響2009
Author(s)
豊田敏裕, 溝上陽子, 青島明子, 鈴木敬明, 栗木一郎, 中内茂樹, 篠森敬三, 岡嶋克典, 堀田喜裕
Organizer
Optics & Photonics Japan 2009
Place of Presentation
朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンター,新潟市
Year and Date
20091124-20091126
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