2010 Fiscal Year Annual Research Report
多数目的最適化問題に対する進化型多目的最適化アルゴリズムの開発と応用
Project/Area Number |
20300084
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石渕 久生 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60193356)
|
Keywords | アルゴリズム / 多目的最適化 / 遺伝的アルゴリズム / 組合せ最適化 / 多数目的最適化 / 収束性 / 多様性 / ナップサック問題 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に提案した線形関数を用いたHypervolume近似手法を,Hypervolume最大化を目的とした進化型多目的最適化アルゴリズムであるSMS-EMOAに組み込む方法を提案し,提案手法の性能評価を行った.計算時間の短縮という観点からは提案手法の有効性は圧倒的であった.具体的には,6目的関数最適化問題に対する数値実験では,提案手法によりSMS-EMOAの計算時間が数千分の1に短縮できるという結果が得られた.このような計算時間の短縮効果は,目的関数の数の増加と共に指数関数的に増加する.これは,目的関数の数の増加と共にHypervolumeの計算時間が指数関数的に増加するのに対して,線形関数による近似手法の計算時間は目的関数の数の増加に比例するためである.もちろん,提案手法ではHypervolumeの近似手法を用いているため,厳密なHypervolumeの計算に基づくSMS-EMOAと比較した場合では,獲得される非劣解集合の性能が悪化する.しかし,数千分の1という大幅な計算時間の短縮を考えると,非劣解集合の性能の悪化は非常に小さい.なお,提案手法では,Hypervolumeの近似に用いる線形関数の数を増加させることで,獲得される非劣解集合の性能を改善することができる.ただし,同時に計算時間の増加も引き起こすため,計算時間の短縮効果は数千分の1から数百分の1や数十分の1に低下する. 線形関数の最大化を目的とした進化型多目的最適化アルゴリズムであるMOEA/Dの探索能力の改良に関する研究も行なった.MOEA/Dは多数目的最適化にも適用可能な効率的で高性能なアルゴリズムであるが,問題に応じた線形関数の選択が難しい,このような問題点を解決するために,異なる種類の線形関数を同時に用いる方法を提案し,MOEA/Dの探索性能が向上することを明らかにした.
|
Research Products
(6 results)