2010 Fiscal Year Annual Research Report
物理カオス結合系による実数コンピューティングシステムの研究
Project/Area Number |
20300085
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
堀尾 喜彦 東京電機大学, 工学部, 教授 (60199544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 雅春 東京電機大学, 工学部, 教授 (20312035)
池口 徹 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30222863)
|
Keywords | カオス / 実数コンピューティング / 複雑系 / 組み合せ最適化 |
Research Abstract |
1. 高次元物理カオス結合系による情報処理装置のダイナミクスと情報処理能力の関係を調べるため,空間および時間相互情報量を用いて,指数減衰カオスタブーサーチシステムが二次割当問題を解いているときのダイナミクスを検証し,適度に弱いカオスニューロン間の時空間相関が有効であることを明らかにした.さらに,このようなダイナミクスを有効に使用する二次割当問題の解法も2種類(二重割当法とSlide-and-lnsert法)提案した.また,システムの要素回路として,周期解の周波数の外力による切り替えによりカオスを生ずる回路を提案してこれを集積回路化し,その基本特性を確認した. 2. 非線形サポートベクターマシンによって連想記憶モデルの結合係数を設定する動的連想記憶モデルにおいて外部入力に記憶パターンを与えることにより,既知パターンと未知パターンをネットワークのダイナミクスに依って識別するモデルを構築した.また,エコーステートニューラルネットワークモデルにカオス時系列を学習させることにより力学系の分岐図の再構成を行い,従来手法より計算コストを抑えつつ高精度の分岐図を再構成できることを示した. 3. 二次割当問題(QAP)は,NP困難なクラスに属する代表的な離散最適化問題であり,最適解に近い優れた近似解を求めることのできる近似解法の開発が必要である.QAPの近似解法として相互結合型ニューラルネットワークにカオスを導入した手法の性能を,ダイナミカルノイズの存在の観点から解析した.その結果,極微少量のノイズを注入することで,性能が有意に向上することを明らかにした.また,離散最適化問題の解空間削減について,連続最適化問題を解くことにより解決する手法を提案した.その際,粒子群最適化法を用いることで有意に解空間のサイズを低減できることを明らかにした.
|