2010 Fiscal Year Annual Research Report
オープンアクセス、サイバースカラシップ下での学術コミュニケーションの総合的研究
Project/Area Number |
20300088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉田 敬子 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50205184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 修一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (50134218)
時実 象一 愛知大学, 文学部, 教授 (10410565)
三根 慎二 三重大学, 人文学部, 講師 (80468529)
松林 麻実子 筑波大学, 図書館情報メディア研究科, 講師 (10359581)
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Keywords | 学術情報流通 / オープンアクセス / 研究者の情報利用行動 / e-Science / e-Research / 研究データ共有 / 医学医療情報 / 情報基盤 |
Research Abstract |
1 生物医学分野のオープンアクセスの現況 PubMedに収録されている2009年刊行論文のオープンアクセス状況を、前回までとほぼ同様の手続きで2010年3月に調査を行った。その結果、オープンアクセス論文の割合は50.0%、有料論文は44.0%、電子版が存在しない論文は5.0%であった。過去2回の調査結果(オープンアクセス論文の割合がそれぞれ26.6%と37.1%)と比較するとオープンアクセス論文の割合は確実に増加していることが明らかになった。オープンアクセスを実現する手段はOA雑誌が最も多く、次にPubMed Centralであった。この結果は2010 Annual Meeting of American Society for Information Science and Technologyでポスター発表を行った(査読あり)。過去の結果との比較、方法論の検討をも含めた論文を作成中であり、近く投稿予定である。 2 日本におけるe-Scienceの現況 e-Scienceや研究データ共有に関して欧米での動向の把握に務めた。日本に関しては、昨年度に実施した広範囲の分野の研究者32名への、共同研究とデータ共有のあり方、新しいコミュニケーションの利用状況に関するインタビュー調査を書き取ったテキストに関して系統的な分析を行った。担当者5人での予備分析及び討議により約300項目のコーディング表を作成した。分析の結果、(1)共同研究の特性に応じてデータ共有のあり方に3類型がある、(2)研究データに対して「自分のもの」という意識がかなり共通に見られることなどがわかった。論文として発表する予定である。 3 一般人の医学医療情報入手状況に関する成果報告 一般人1200人への医療情報探索・入手状況に関する社会調査の結果に、既存研究等の分析を加えた英語論文がほぼ完成した。近く投稿予定である。 4 成果報告会の開催 3年間のプロジェクトの成果を広く公開するための成果報告会を2011年2.月5日に慶應義塾大学で開催した。研究代表者、研究分担者、研究協力者11名全員が研究成果を報告した(タイトルと抄録はopen access japanに掲載、発表要綱集は当日参加者に配布)。90名の参加者により活発な議論がなされた。
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Research Products
(6 results)