2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク空間における統計的空間分析の体系的な方法、算法、道具箱の開発研究
Project/Area Number |
20300098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 篤行 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 厚吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40144117)
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Keywords | 統計数理 / アルゴリズム / ネットワーク / 地理情報システム / ソフトウェア工学 |
Research Abstract |
実世界で生起する確率的事象には、交通事故、路上犯罪などネットワークの上、または都市内の店舗立地などネットワーク沿いで生起する事象が極めて多い。本研究の目的は、以下の通りである。 第1にネットワーク空間と最短経路距離を前提とする新たな統計空間分析法であるネットワーク統計空間分析法を開発する。 第2に、得られたネットワーク統計空間分析法の効率的な幾何学算法を開発する。 第3に、その算法を使ってネットワーク統計空間分析法を容易に利用できる道具箱(ソフトウェアパッケージ)とそのウェブ利用システムを開発する。 第4に成果たる方法、算法、ソフトウェアを体系的に理解できる教科書を出版する。 20年度においては、上の4つの目標に関し、以下の研究を行った。 1.岡部およびその他の研究者によって既に開発されているネットワーク統計空間分析法を整理して、ネットワーク統計空間分析の一般フレームワークを作った。また、新たに、ネットワーク上の点密度を推定するカーネル法の開発、ネットワーク上の点のクラスター分析法の開発を行い、ディスカッションペーパを出版した。さらに、ネットワーク上の空間内挿法について検討を行った。 2,既に発表されたネットワーク統計空間分析法で使われている素朴な算法を整理し、共通に使われる基本算法をまとめた。また、ネットワーク統計空間分析で使われるデータを効率的に管理するデータ構造の検討を行った。 3,既存のツールの利用者から指摘された不都合な点や利用しにくい点のコメントを考慮し、既存ツールを含む多くのツールからなる道具箱の概念設計を行った。またツールの提供とツール利用方法の教授をウェブで行うので、そのためのサーバを整備した。 4,ネットワーク空間統計分析法の教科書開発の章立てを組み立て、第2章と第3章の第1次原稿を作成した。またネットワーク空間現象を扱っている様々な分野の多くの研究の文献収集と整理を行った。
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Research Products
(4 results)