2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300100
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 渉 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (10390585)
山下 絢 中央学院大学, 商学部, 専任講師 (80614205)
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Keywords | 社会調査 / 調査モード / 日本人の国民性 / サンプリング / 匿名性 |
Research Abstract |
平成23年度は本研究の最終年度であり,平成22年度までの分析結果を補強し,成果のとりまとめを行った。具体的な分析事項は大別して(1)平成20年度中に実施した郵送調査の分析の継続,(2)郵送調査の比較対象として実施したウェブ調査等,利用可能な調査結果との比較解析,(3)新たな視点を入れた分析,である。(2)については本科研費による平成20年度実施郵送調査(調査A)と21年度ウェブ調査(調査D)の比較対象として,平成20年度中に実施した面接調査(調査B,C),平成21年度取得の留置法による調査E,郵送法による調査Fの間の比較分析を予定したが,特にD調査と他の調査の比較は充分に行えなかった。 事項(1)は本科研費の主眼である匿名性を確保した実施方式の効果を検討するという課題の検討が中心であるが,結論的に言えば回収率の点でも,また回答分布の点でも,回答通知ハガキ別送条件と呼ぶ匿名性確保条件の明確な効果は認められないという結論に至った。実施条件として匿名性を充分に強調する効果があったか不明である。事項(3)については,郵送調査に付随する情報(返信封筒の記載情報と回答者の教育水準との関連,返信時期と協力者の協力動機の分析)を行い,それぞれ弱い効果を認めた。 また研究分担者のうち1名は,所属大学での実習機会を利用して郵送調査を自治体との共同で市民を対象とする無作為抽出による調査を行い,郵送調査法の実施結果(回収層の偏りなど)に関して得られている従来の知見との比較考察を行っている。実験的な研究ではないので回収率に与えた影響は不明ではあるが,同調査では匿名参加を依頼文に明記した。謝礼や督促を行わない条件で回収率が60%以上のように比較的高い結果となり,他の実施上の工夫などと合わせて回収率に対して寄与した可能性を考察している。
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Research Products
(5 results)