2008 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーションと分子生物学実験の融合による人工遺伝子回路網のシステム設計
Project/Area Number |
20300102
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花井 泰三 Kyushu University, 農学研究院, 准教授 (60283397)
|
Keywords | 生体生命情報学 / 生物・生体工学 / システム生物学 / 合成生物学 / システム解析 |
Research Abstract |
本研究は、微生物というモデル生物の遺伝子発現プロセスに着目し、ターゲット遺伝子の発現量や発現速度をコントロールするためのシステム制御方策を考案し、そのための遺伝子システムを計算サイドと実験サイドの両面から設計することを目的とする。 本年度は、遺伝子発現が振動する発振ユニットの作成に取り組んだ。同様の研究は、過去にいくつか発表されているが、遺伝子発現とタンパク質のみが相互作用する単純なユニットであった。我々は遺伝子発現、タンパク質、代謝物が相互に作用しあう、より高度な発振ユニットを構築することにした。同様のユニットは、James C. Liaoらのグループによって報告されているので、まずは同じ構造のユニットを構築してみたところ、彼らの実験結果を再現できなかった。そこで、彼らのユニットの基本構造である、酢酸とacetyl-CoAの変換系を基本にした、振動ユニットの改良を行うこととした。利用する遺伝子群はphosphate acetyltransferaseとAcetylCo-A synthetase、細胞内で酢酸濃度と連動するアセチルリン酸濃度依存型プロモータglnAP2を利用した。改良した発振ユニットの振動を観測するために、プレートリーダを用いて、30℃で振とう培養を行いながら、5分おきにODおよび蛍光を測定したところ、2つのピークを確認することができた。永続的な振動を行うために、原因の調査を行ったところ、あるプロモータからの発現がほぼ無いことが判明した。現在、このプロモータの発現を想定されているように行わせるために過去の知見を利用しながら、改良を行っている。
|