2009 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーションと分子生物学実験の融合による人工遺伝子回路網のシステム設計
Project/Area Number |
20300102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花井 泰三 Kyushu University, 農学研究院, 准教授 (60283397)
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Keywords | 生体生命情報学 / 生物・生体工学 / システム生物学 / 合成生物学 / システム解析 |
Research Abstract |
本研究は、微生物というモデル生物の遺伝子発現プロセスに着目し、ターゲット遺伝子の発現量や発現速度をコントロールするためのシステム制御方策を考案し、そのための遺伝子システムを計算サイドと実験サイドの両面から設計することを目的とする。 昨年度、ラムダファージのPR-PRMデュアルプロモータを利用し、酢酸とアセチルCoA変換系を基にした振動系を構築してきたが、PRMからの遺伝子発現がPRと比較してたいへん小さいため、PRMプロモータの改良を、過去の知見を基に行った。PRMの遺伝子発現を数倍から数十倍増強できると言われている変位を加えたが、大きな変化は得られなかった。測定に利用しているGFPがある程度発現しないと測定できないため、増強しても測定限界より小さい値であると考えられた。 振動系ユニットの構築が予想以上に困難であることから、より単純な系であるトグルスイッチの作成を試みた。lacおよびtetプロモータを利用して作成した。リプレッサーの供給源をゲノム上に設定にしたところ、予想に反して、全くトグルスイッチとしての挙動を示さなかった。リプレッサーの供給速度が、挙動に大きな影響を与えると仮説を立て、実証実験を行った。そのため、リプレッサー供給源であるplacIq-lacI遺伝子を、ゲノム以外に、低コピープラスミド、中コピープラスミド、高コピープラスミドに導入し、トグルスイッチの動作確認実験を行った。その結果、低コピープラスミドにリプレッサーの供給源を設定したときのみ、トグルスイッチのとしての遺伝子発現が観測された。
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