2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300104
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
諏訪 牧子 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主幹研究員 (30242241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤渕 航 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究チーム長 (60273512)
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Keywords | 生体生命情報学 / 生物物理 / ゲノム / 嗅覚受容体 / GPCR |
Research Abstract |
平成20年度~平成21年度までに作成した解析手法をさらに改良すると共に、集積した匂い分子-受容体-細胞-匂い地図-ゲノム構造のデータ間をリンクし解析できる総合データベースを構築した。以下はその詳細である。 a)リガンドに対する嗅覚受容体応答予測:GPCR配列の統計解析と立体構造の安定性計算から、受容体内部の水素結合ネットワークの流れに変化を与える位置などが,GPCR活性化に関連するホットスポットであると示唆した(J.Phys.Chem.誌に発表)。これらホットスポットと匂い物質側の構造特徴量を基に特徴ベクトルを作成し、前年度作製した方法(2-way prediction)により、リガンドへの受容体応答を予測したところ、既知の関係性は90%近く再現できた。 b)嗅覚受容体遺伝子クラスター、制御領域、リガンド結合領域の同定:前年度のマウスゲノムと同様、ヒトゲノム上での嗅覚受容体遺伝子のクラスター領域、制御領域、リガンド結合部位を網羅的に同定し位置付けた。匂い分子結合領域が類似した遺伝子同士は、高密度クラスター内で、複数のサブクラスターに分かれたが、この特徴はマウスと同様であった。 c)総合解析データベース構築:マウス及びヒトの嗅覚遺伝子に対し、階層的な情報を付与して整理した。(1)受容体階層についてはマウス嗅覚受容体(318配列)、ヒト嗅覚受容体(351配列)をマルチプルアラインメントし、保存残基や匂い分子結合部位などで整理した。(2)ゲノム階層については嗅覚受容体のゲノム配列上の座標、遺伝子クラスター情報、遺伝子制御領域情報などで整理した。また(3)匂い分子階層、嗅細胞階層、匂い地図階層については、既知データの情報と対応づけた。 これらを既に開発済みのSEVENSデータベース:http://sevens.cbrc.jpに実装中である。
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Research Products
(15 results)