2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩谷 昌己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30156252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文昭 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (50456159)
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Keywords | DNA計算 / DNAナノテク / 三次元ナノ構造 / 分子システム / AFM測定 |
Research Abstract |
本年度では,(1)光応答性DNAカプセル分解のリアルタイム観察,(2)分子ダイアル錠の設計・構築,の二点を行った.まず,(1)に関して,前年度で構築した光応答性DNAカプセルが,紫外光の照射によって分解していく様子を高速AFMにより観察した.その結果,DNAカプセルが分解される過程をリアルタイムに観察することができ,カプセルが分解する直接的な実験的証拠を得る事に成功した.次に,(2)に関して,アゾベンゼンとATPアプタマーの2入力系を用いた分子ダイアル錠の構築を行った.アゾベンゼンは,紫外光照射により構造を変化させる特性があり,前述の光応答性カプセルで用いられているものである.また,ATPアプタマーとは,ATPと特異的に結合する性質を有している特別な塩基配列を持つDNA分子である.これらの分子を利用して,「紫外光の照射」および、「ATPの投入」という2つの入力の順序によって制御可能な分子機械(ダイアル錠)の設計を試みた.ダイアル錠の設計は,ダイアル錠の挙動を予測するシミュレータを,前年度で開発した自動設計プログラムに組み込むことによって行った.設計されたダイアル錠の動作をゲル電気泳動および蛍光分光光度計により確認した結果,出力の濃度に改善の余地はあるものの,意図した通りにダイアル錠が動作することが確認された. これらの成果により,従来のようにナノ構造を構築するだけではなく,それらを複数の入力信号の順序で制御することが可能となった.この技術は,ドラッグデリバリーや分子ロボット等への応用が期待されるものであり,申請時の研究目標は達成されたと考えられる.
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Research Products
(7 results)