2010 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型プロテインチロシンホスファターゼPtproの統合的解析
Project/Area Number |
20300113
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
新谷 隆史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 准教授 (10312208)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / チロシンキナーゼ / 行動学的解析 / 視神経 / 投射 |
Research Abstract |
本研究においては、Ptproの遺伝子改変マウスを用いて、Ptproの神経系における生理機能を明らかにすることを目指した。 本年度は、まず、Ptproの遺伝子欠損マウスにおける視神経の脳への投射について、詳細な解析を行った。生後のマウス網膜の鼻側及び耳側の一部領域を蛍光色素で微量標識し、上丘への投射について野生型のマウスとの比較解析を行ったが、大きな異常は観察されなかった。さらに、左右の眼球にそれぞれ違う蛍光色素で標識したコレラトキシンを注入し、外側膝状体への投射について解析を行ったが、この場合も野生型マウスとの間に顕著な差は認められなかった。これらの実験結果から、Ptproの遺伝子欠損マウスの視神経投射形成においては、別のチロシンホスファターゼがPtproの欠損を保障していることが示唆された。網膜における様々なチロシンホスファターゼの発現解析と、Eph受容体を基質にするかについて解析を行うことにより、候補となる受容体型チロシンホスファターゼを明らかにした。 次に、行動学的解析を行うことによって、Ptpro遺伝子欠損マウスにおいて、神経高次機能発現に異常があるかについて調べた。具体的には、オープンフィールドテスト、自発運動測定、強制遊泳テスト、ホットプレートテスト、フットショックテスト、高架式十字路テスト、モリス水迷路テスト、恐怖条件付け文脈学習テスト、条件付け位置嗜好テスト等を行った。その結果、一部の行動学的解析実験において、野生型マウスとの差異を見出した。
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