2009 Fiscal Year Annual Research Report
シナプスを形成する神経細胞間の発生過程における相互作用
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20300115
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| Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
浜 千尋 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生・再生科学総合研究センター, 特別主管研究員 (50238052)
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| Keywords | ショウジョウバエ / シナプス / 嗅覚 / 突然変異 / 軸索 / 糸球体 / 発生 / 神経回路 |
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| Research Abstract |
ショウジョウバエ嗅覚神経系の一次中枢内には多数の糸球体が存在する。この糸球体は、嗅覚神経細胞と二次神経細胞の間の特異的なシナプス結合により形成され、また定型的なパターンで一次中枢内に配置している。本研究では、この糸球体の特徴に注目し、(1)嗅覚神経細胞が特定の糸球体に特異的に投射するための制御機構を明らかにし、(2)シナプスを挟む2種の細胞対の遺伝的な性質と、その互いの関連性を明らかにしシナプスを含む「回路単位」の形成機構に対する新しい知見を得ることを目的とした。
これらの問題にアプローチする最初の方法として、われわれは嗅覚神経細胞が示す糸球体への軸索投射が異常になる変異株の解析を進めてきた。突然変異誘起剤EMSを用いて第二染色体右腕に変異を誘起し、嗅覚神経系に変異クローンを生み出すことにより嗅覚神経細胞の軸索投射および軸索形態の異常を解析した。その結果、(a)軸索投射時の走行経路が異常となる、(b)軸索が投射した糸球体においてbouton状の形状を示す、(c)軸索が正しい糸球体に到達したのちに行き過ぎる、(d)軸索が正しい糸球体の位置に到達したのちに樹枝状化せず糸球体形成に関与しない、という表現型が観察された。これらの変異のうちホモ接合で致死性を示す変異については欠失変異とかけあわせて第二染色体右腕上にマッピングし、さらに該当染色体領域中に存在する既存の致死変異とかけあわせることにより原因遺伝子の同定を行った。現在、3つの原因遺伝子を同定することに成功し、そのうちのひとつは、変異株が(d)の表現型を示し、tRNA合成酵素をコードしていることが明らかとなった。この結果は、糸球体形成に局所的な翻訳制御が関わっていることを示唆している。
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Research Products
(2 results)
