2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300130
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 英明 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (90106906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新明 洋平 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00418831)
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Keywords | 神経軸索 / ガイダンス / 遺伝子欠損マウス / draxin / 大脳皮質 / genetic interaction / DCC |
Research Abstract |
神経細胞は結合する相手が運命づけられて発生し、解剖学的に遠くはなれた部位にまで神経軸索を伸長する。この軸索成長は軸索先端が成長する方向を能動的に選択することによって可能となり、その成長方向をガイドする分子が軸索ガイダンス分子である。 我々は、新規の軸索ガイダンス分子を探索した結果、脊髄交連神経や大脳皮質由来の神経突起に対し反発活性を示す新規のシグナル分子を見出し、draxin(dorsal repulsive axon guidance protein)と命名した。draxin遺伝子欠損マウスでは、すべての大脳交連線維(脳梁、海馬交連、前交連)の形成不全が観察された(Islam et al.,Science 323,388-393,2009)ため、draxinは非常に重要なガイダンス分子である。draxinは既知のシグナル分子とは全くホモロジーの無い新規分子であるため、その受容体を探索したところ、以下のことを見出した。 1)netrin受容体であるDCC、Neogenin、Unc5に結合する。 2)DCCとはnetrin結合部位とは異なる領域にハイアフィニティー(1nM)で結合し、netrin存在の有無にかかわらず、同様に結合する。 3)DCCが幅広く発現するマウス胚大脳皮質からの神経突起伸長はdraxinによって阻害され、DCC遺伝子欠損によりdraxinによる神経突起成長阻害作用は減弱する。 4)Draxin(+/-)DCC(+/-)のマウス大脳の解析から、それぞれの単独ヘテロマウスに比較し、ダブルヘテロにより脳梁形成が著しく阻害されることから、DCCとdraxinにはgenetic interactionが有る。 以上の結果から、DCCはdraxin受容体として機能すると結論した。
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Research Products
(5 results)