2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規ドーパリガンドの構造決定とドーパ応答の電気生理学的解析
Project/Area Number |
20300132
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
五嶋 良郎 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (00153750)
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Keywords | 神経伝達物質 / 受容体 / 自律神経 / ドーパ / 電気生理学 |
Research Abstract |
新規神経伝達物質候補であるドーパの受容体同定を目的として、新規ドーパリガンドの構造決定とドーパ応答の電気生理学的解析を目指した。ドーパ様の応答を惹起するノルアドレナリンの前駆体、ドプス(L-threo-DOPS)の水溶液を高速液体クロマトグラフィ、マススペクトル、NMR解析を組み合わせ、ラット孤束核に微量注入した際の血圧下降応答を指標に活性成分の構造決定を試みた。しかし最終的には特定の化合物の構造決定には至らなかった。一方、ドーパに対する血圧下降応答を解析するために本研究において用いた方法は、NTS領域を含む脳切片における多点電気生理学的解析法である。同実験系において、大動脈神経入力領域(baroreceptor afferents innervated area)であるNTS背内側部(SolDM)に電極を置いて刺激を加えると、evoked fEPSPsがSolDMを含むやや広い範囲の内側NTS領域に検出された。この応答は、AMPA型グルタミン酸受容体拮抗薬であるCNQXにより阻害された。ことからAMPA型受容体を介する応答と考えられる。この応答に対してドーパ30nMは二相性の作用を示した。電気刺激によるfEPSPsの大きさが0.07mV以上のものと、0.07mV以下のものとに分類すると、前者に対してドーパは抑制、後者に対してドーパは促進作用を示した。また両作用はドーパ拮抗薬のDOPA CHE前処置により拮抗された。一方、新規G蛋白質受容体であるマウスOA-1がドーパ結合活性を示すことを見出した。
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