2008 Fiscal Year Annual Research Report
ルールに基づいた行動選択における大脳皮質・基底核ループの役割
Project/Area Number |
20300136
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 真樹 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 准教授 (90301887)
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Keywords | 大脳皮質 / 眼球運動 / 神経活動 / 行動選択 / 大脳基底核 / 霊長類 / 神経生理学 / 運動性視床 |
Research Abstract |
われわれは状況に応じて行動を選択することができる。その神経機構を解明することは運動の随意性制御を理解する上で重要であると考えら液る。本研究では眼球運動系をモデルに、ルールに基づいた行動選択に関与する神経機構の一端を明らかにすることを目指す。具体的にはanti-saccade課題を訓練したサルの運動性視床、補足眼野の神経活動と同部の不活化および電気刺激の効果を定量的に調べる。 今年度は本研究の直接のきっかけとなった、anti-saccade課題を用いた淡蒼球の記録実験のデータをまとめ、国際誌に発表した。また、同時に記録した追跡眼球運動の際の神経活動についても解析をすすめ、短報として発表した。これらと並行して大学院生とともに視床の実験を行い、運動性視床がanti-saccadeの発現に関与する証拠を見出した。すでにこれらの解析を終えて論文を執筆し、現在国際専門誌に投稿中である。さらに、視床に関する総説を執筆した。 刺激実験に関しては、自発サッカード発現へのSEFの関与を同大学院生とともに調べている。また、ルールに基づいた行動選択の機構を調べるために、試行ブロックによって眼球運動の方向を変えるようにサルを訓練している。平成21年度中に刺激実験を開始する予定である。
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