2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300137
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉原 泉 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (60187656)
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Keywords | 小脳 / 小脳皮質 / 小脳核 / 霊長類 / マーモセット / 下オリーブ核 / アルドラーゼC / 神経解剖学 |
Research Abstract |
小脳皮質、小脳核および下オリーブ核は、部位対応的に関連する多数の機能区分(小脳モジュール)から構成されると考えられる。これまでにわれわれは、小脳の小葉構造と小脳の縦縞状分子発現パタンに密接に関係している小脳モジュールの概要を、ラットにおいて明らかにしている。本研究は小脳モジュールの構築と基本動作機構を明らかにすることを目的としているが、本年度は、概究実施計画(3)の霊長類小脳における小脳モジュールの解明に関して特に大きな成果が得られた。 ヒトにより近縁である霊長類の小脳においてそのモジュール構築を明らかにすることは、齧歯類で得られた小脳の機能的構築の理解をヒトに応用する上で大変重要である。霊長類としては、小型で形態学的解析のしやすいマーモセットを用い、aldolase C免疫染色により小脳の縦縞構造を染め出し、さらに、神経標識法により縦縞に固有のプルキンエ細胞と下オリーブニューロンの投射を標識した。その結果、マーモセット小脳のすべての縦縞に関して、ラットのどの縦縞と相同であるかが確認できた。マーモセット小脳の分子発現パタンに見られる縦縞構造は、哺乳類共通の基本的構築を示すと同時に、部分的に種に固有の特徴を持っていることが明らかになった(専門誌に発表済み)。 実施計画(1)のマウススライス標本における電気生理学的実験は、その準備を進めている。また、実施計画(2)のラットにおける下オリーブ核・小脳皮質・小脳核間の投射の機能的構築の詳細な解明に関しては、実験はほぼ終了し現在発表準備中である。以上により、小脳全体におけるモジュール構築とその動作機構の詳細を解明しつつある。
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[Journal Article]2010
Author(s)
杉原泉
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Journal Title
小脳皮質の部位局在性.Annual Review 2010神経(鈴木則宏、祖父江元、荒木信夫、宇川義一、川原信隆編)(中外医学社)
Pages: 9-16
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