2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300138
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
桜井 正樹 Teikyo University, 医学部, 教授 (30162340)
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Keywords | 皮質脊髄シナプス / シナプス除去 / NMDA受容体 / GluRε2(NR2B) / 軸索退縮 / 軸索自切 / 軸索変性 |
Research Abstract |
我々はラットまたはマウスの大脳感覚運動皮質と脊髄のスライスを共培養することにより皮質脊髄路シナプスのin vitro再構築系を開発し、発生初期にはシナプスが脊髄全体に形成されるが、その後、脊髄腹側のシナプスがNMDA受容体依存的に除去されること、これは軸索退縮を伴うことを示してきた。我々は新たにこの系のタイムラプスイメージング系を開発し、軸索退縮が軸索退行、自切、変性の3種類の過程からなることを示した。 更に、胎児皮質脊髄細胞にEYFPやsynaptophysin発現系プラスミドをexo utero電気穿孔法により導入し、生後このような動物の皮質スライスを脊髄とともに培養したり、in vivoで皮質脊髄線維を観察する系を開発することに成功した。 上記の系をも用いて、GluRε2(NR2B)KOマウスまたはε1(NR2A)KOマウス由来の脊髄と皮質を共培養することにより、上述のNMDA依存的シナプスー軸索除去がε2に特異的な依存性があることが示された。また、ε2KOマウスでは新生児期にε2サブタイプのみならずNMDA受容体すべてが発現せず、その後の変化も生後致死であるため不明であったが、我々の培養系で、ε1NMDA受容体が発達と共に発現してくることが初めて明確に示された。 上記synaptophysin遺伝子を導入した皮質脊髄細胞のタイムラプス観察から、synaptophysin clustersが軸索遠位部に形成され、近位部に向かって逆行性に動くことが初めて観察された。これはこれまで知られていなかったシナプス形成過程における重要なステップである可能性がある。
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Research Products
(9 results)