2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス病原性ヘリコバクターの特異的抗原検出診断法の開発
Project/Area Number |
20300143
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
國田 智 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10195472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八神 健一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40166476)
林元 展人 (財)実験動物中央研究所, ICLASモニタリングセンター, 研究員 (30332208)
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Keywords | マウス / ヘリコバクター / H.hepaticus / モノクローナル抗体 / サンドイッチELISA / 感染症診断 |
Research Abstract |
簡易かつ特異性の高いマウスのヘリコバクター診断法の確立を目指し、ホルマリン不活化Helicobacter hepaticus菌体に対するモノクローナル抗体(MAb)を作製し、サンドイッチELISA法によるH.hepaticus特異的な抗原検出を試みた。その結果、H.hepaticus特異的なMAbが11種、H.hepaticus、H.bilisおよびH.muridarumの3菌種に交差反応を示すMAbが2種得られた。 H.hepaticus特異的MAbのうち、#5-12DはサンドイッチELISAでホルマリン不活化H.hepaticus菌体を0.0008 OD_<600>まで検出可能(OD_<490>≧0.2)であり、H.bilisおよびH.muridarumに対しては0.2 OD_<600>の不活化菌体でも陰性値(OD_<490><0.2)を示した。さらに、MAb#5-12DはH.hepaticus生菌培養液を抗原とした場合、サンドイッチELISAで8×10^3CFUまで検出可能であった。MAb#5-12Dはウェスタンブロット法でもH.hepaticus抗原のみと特異的に反応し、その認識する抗原は分子量約12KDaの位置に確認された。本抗原はプロテアーゼ処理や加熱処理に耐性であり、イムノアフィニティ法によって精製した認識抗原はPAS反応による糖染色に陽性であった。H.hepaticus実験感染マウスの糞便をサンプルとし、サンドイッチELISAとPCRとの比較評価を行ったところ、サンドイッチELISAでの陽性率が71.9%であったのに対しPCRでの陽性率は55.1%であり、サンドイッチELISAの検出感度が高かった。また、両検査法の一致率は76.4%であった。以上の結果から、MAb#5-12Dを用いたサンドイッチELISAがH.hepaticus感染に対する特異的診断法として有用であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)