2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁性ナノ粒子を利用した超選択的がん治療法と非侵襲温度分布計測法との融合
Project/Area Number |
20300155
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
石原 康利 明治大学, 理工学部, 准教授 (00377219)
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / ナノバイオ / 癌 |
Research Abstract |
本研究では、体外から投与した磁性ナノ粒子が『がん』細胞に集積する性質を利用した『がん』の治療・診断統合システムの実現を目指している。平成22年度は、特に、磁性ナノ粒子による分子イメージング(Magnetic particle imaging:MPI)における再構成画像の画質向上を目的に研究を行った。 従来のMPIにおける画像再構成法では、磁性ナノ粒子の位置情報を識別するために用いる傾斜磁場分布の不完全性に起因して、目的領域外から生じる磁化信号(干渉信号)が画像信号成分に重畳して検出されることから、分解能が劣化する。一方、H21年度までに提案した画像再構成手法を用いることで、干渉信号による偽像を抑制した高分解能な画像を再構成できることを示しているが、磁性ナノ粒子が連続的に存在する場合には、過度な補正が行われるため正確な粒子像が得られない問題点も明らかになった。そこで、目的領域から生じる磁化信号と干渉信号との起電力波形に顕著な差が現れることに着目し、観測信号とシステム関数との相関情報を求めることで目的領域から生じる磁化信号のみを強調する新たな画像再構成法を提案した。数値解析によって、提案手法は従来手法による再構成画像における局所的なボケや偽像が現れないことを確認するとともに、粒子が連続的に存在している場合についても正確な粒子像を再構成できることを示し、高精細な画像再構成手法であることを確認した。さらに、傾斜磁場強度を2.5[T/m]とした場合に、傾斜磁場方向に0.28[mm]、垂直方向に1.01[mm]の空間分解能を達成できることを明らかにした。
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