2009 Fiscal Year Annual Research Report
セルパターニングのための超並列オンチップ細胞操作システムの開発
Project/Area Number |
20300156
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
柴田 隆行 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (10235575)
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Keywords | マイクロマニピュレータアレイ / セルパターニング / 細胞操作 / 細胞機能解析 / マイクロニード / MEMS / ナノバイオテクロノジー |
Research Abstract |
本研究では,マイクロチップ上での高精度な細胞操作ならびに高度な細胞ネットワーク機能解析を実現するために,細胞を所望の3次元空間へ超並列・超高速に配列制御(セルパターニング)するための"超並列オンチップ細胞操作システム"の開発を行うことを目的としている.得られた成果は以下のとおりである. 1.細胞操作用マイクロマニピュレータアレイの開発 (1)細胞操作用マイクロマニピュレータアレイの開発に必須となる"光駆動型表面機能制御マイクロバルブ"の動作原理を実験的に検証した.シリコーン樹脂製のマイクロ流路(幅15μm,高さ9μm)とTiO_2膜を形成したSi基板とを組み合わせたマイクロバルブを試作し,紫外線照射によってバルブOPEN動作が行えることを示した. (2)種々のTiO_2膜の形成方法(ナノ粒子スピン塗布法,ゾルーゲル法,陽極酸化法)を検討した結果,陽極酸化法で形成したTiO_2膜が最も良好な光誘起超親水化現象を示すことがわかった.また,陽極酸化時の電流波形からTi膜の陽極酸化終点が判定できることがわかった. (3)TiO_2膜表面の疎水化方法を検討した結果,ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理した場合に接触角65°程度の疎水化が可能であり,かつ紫外線照射によって超親水表面に回復することがわかった.さらに,光誘起超親水化現象に及ぼす紫外線照射条件(紫外線の波長,照射強度,照射時間など)の影響についても明らかにした. 2.細胞ネットワーク機能解析に関する基礎的研究 (1)Si基板上に支柱構造体をアレイ化することによって細胞を空間的に配置することを可能とする"マイクロ細胞培養チップ"を作製し,細胞(HeLa細胞)を支柱構造体(SU-8ピラー)間に配置することが可能であることを示した.また,細胞の滴下量に比例して捕獲率は線形に増加することがわかった.一例として,濃度1.5×10^3cell/μLの条件で90μL滴下することで,SU-8ピラー構造間に約40%の捕獲率で細胞を配列することができた. (2)マイクロ細胞培養チップ上での細胞培養実験(HeLa細胞)を行った結果,単離された細胞と比較して複数の細胞が隣接して存在する方が,細胞の伸展が促進されることがわかった.
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Research Products
(4 results)