2009 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経系を介した新しい骨損傷治療法の開発に向けての実験的研究
Project/Area Number |
20300158
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 健志 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (30249560)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40163571)
内藤 尚 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (40392203)
中村 匡徳 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特任准教授 (20448046)
|
Keywords | 骨折治癒 / 血管新生 / 交感神経 / 放射光CT |
Research Abstract |
本年度は,ジルコニア・ナノ粒子を利用した血管造影鋳型剤を新たに開発し,単色放射光サブトラクションμCTによって骨修復早期の血管新生と再生骨イメージを同一の非脱灰サンプルから取得する手法を確立した.再生骨については,その微細形態解析に加え,骨ミネラル評価も可能である.本手法によって,骨への力学的負荷の有無,およびβ交感神経遮断が骨再生および血管新生に及ぼす影響を評価した. 脛骨皮質骨にドリルホール欠損を作製したラット(12週齢♀)を通常飼育群(n=10)と尾部懸垂による除負荷群(n=10)に分け,術後,5日目あるいは10日目に腹部大動脈より血管鋳型剤を投与し,冷水下でこれをゲル化,脛骨術部を摘出・エタノール固定した.試料は放射光施設SPring-8にて,ジルコニアk吸収端の直上(18.1keV)および直下(17.9keV)でCTスキャン(分解能2.74μm)した. 各々の再構成イメージについて相互情報量の最大化によるレジストレーションを行った後,画像差分した結果,欠損部の再生骨と血管新生は明確に分離され,本手法が骨-血管形成連関解析における有用な手法であることが示された. また,欠損作成後5日目には両群とも血管新生が誘導されたが,除負荷群では血管新生は抑制される傾向を示し,骨再生は通常飼育群のみで認められた.10日後,再生骨量,ミネラル密度とも除負荷群で有意に低値を示した.さらに,β交感神経遮断の効果を尾部懸垂モデルで検討した結果,骨への負荷軽減による骨再生抑制は,β交感神経遮断により若干改善されたものの,通常飼育した欠損モデルの骨再生レベルまでには至らなかった.
|
Research Products
(4 results)