2008 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフォトン共焦点レーザー顕微鏡による蛍光分子糸球体機能解析
Project/Area Number |
20300163
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
仲本 博 Kawasaki Medical School, 医学部, 助教 (10299183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10152365)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
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Keywords | 腎症 / 可視化 / 糖尿病 / 共焦点顕微鏡 / 濾過 |
Research Abstract |
腎臓は、生体のホメオスタシスの要となる臓器の一つである。メタボリック症候群は、我国の健康課題であり社会的急務あるが、慢性腎不全に至り透析への導入となる例は、増加しつつある。糖尿病はその透析導入理由第一位を占めるが、早期には過剰濾過の状態に陥っている。今回我々はこの濾過を分子レベルで評価すべく、蛍光色素を用いて多光子共焦点レーザー顕微鏡(Leica TCS SP2 MP)を用いて、生理的条件化で可視化することを試みた。WistarラットにSTZ(50mg/kg)を投与することで糖尿病を誘発した。対照群には、生理的食塩水を静脈内投与した。セボフレン吸入麻酔科のラットに、Texas Redで標識した3,10,40,70kDaのデキストランを尾静脈から投与して、約7、8秒で濾過される様子を、生理的条件下で可視化した。 FITCで標識した500KDaのデキストランは、血管内を緑色に描出するため、Hoechstは細胞の核を青く染色するために投与した。濾過される色素量は、分子量が大きくなると減少することが判明した。フィルトレート(濾液)を数値で評値で評価することも可能であることが判明した。糖尿病早期では4週から40kDa分子が漏れ出ており、8週ではさらに70kDaの分子も漏れ出すことが判明した。結論として、糖尿病早期には、過剰濾過の状態であるが、蛋白はすでに漏れ出している。糖尿病腎症の治療は、今後は早期から必要であることが示唆される。
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Research Products
(4 results)