2008 Fiscal Year Annual Research Report
適応制御を用いた薬剤投与による心不全血行動態の自動制御システムの開発
Project/Area Number |
20300164
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
杉町 勝 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 部長 (40250261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 稔聡 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 室長 (60300977)
清水 秀二 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 派遣研究員 (80443498)
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Keywords | 自動治療 / オンラインシステム同定 / マクロ血行動態モデル |
Research Abstract |
本年度は適応制御に必須である生体の薬剤応答性のオンライン同定について検討した。ドブタミンへの心ポンプ機能応答、ニトロプルシドへの血管抵抗応答は、ステップ状の薬剤投与にてオフラインで求めたステップ応答によれば無駄時間のある一次遅れ系にて近似できた。左冠動脈内に微粒子を注入して心不全を作成したのち状態が安定したイヌに対し、ドブタミン静脈内に不規則な間隔で間欠的に投与し血行動態を200Hzで連続的に記録した。前研究にしたがって左心ポンプ機能を定量化する指標S_Lを算出し、ドブタミン投与量を入力、S_Lを出力としたシステム同定を行った。対比のためにノンパラメトリック法にてステップ応答を計算した結果、無駄時間約20秒、時定数約25秒の結果が得られた。ARX法で次数を1次に固定し、モデル出力が最も実測出力に相関するように無駄時間を定めることによりシステム同定を試みた。時間刻みを変えたところモデル係数が大きく変わり、適切な時間刻み設定が必要であった。ノンパラメトリック法との対比からサンプリング時間の少なくとも10倍〜30倍程度が必要であった。時間刻みが小さいと、出力の現値と前値の相関が大きく、モデル出力の相関が見かけ上良好になった(モデル係数は不正確)。そこでARX法ではなく、モデルのインパルス応答を直接に入力と畳み込み積分して出力を最も予測できるモデルを同定する方法を試みた。シンプレックス法による最適化でノンパラメトリック法に近い結果が得られた。同定法の見通しを得るために、エラー面を求めたところ、時定数方向には平坦であり時定数の確定に誤差が大きいことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)