2010 Fiscal Year Annual Research Report
造影剤濃度と被ばく線量の低い重粒子線励起二波長パルスX線による血管動画撮影
Project/Area Number |
20300175
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (90160829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (90302984)
堀岡 一彦 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (10126328)
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Keywords | 重粒子線 / 陽子ビーム / 荷電粒子励起X線放出 / 血管動画撮影 / 造影剤 / EMCCDカメラ / 二波長差分法 / 静電タンデム加速器 |
Research Abstract |
昨年度までに開発した円盤状回転ターゲットに,Fe造影剤のK吸収端(7.110keV)前後の波長(エネルギー)を持つKαX線を発生する鉄(Fe;6.398keV)及びニッケル(Ni;7.471keV)板を取り付け,二波長パルスX線の発生試験を行った.このために専用の真空容器を設置し,これらの低エネルギーX線を大気中に取り出すための厚さ50μmのマイラー窓を取り付け,真空試験を行った.両端にこれらの金属板を装着した円盤状ターゲットをステッピングモーターにより真空中で回転させながら,エネルギー2MeV,ビーム電流100nA程度の陽子ビームを照射した.ビームは四重極電磁石により集束し,ターゲット上で直径1mm程度であった.赤外線温度計で照射面の温度を測定したところ,この程度のビーム強度であれば,ターゲットの発熱は放射冷却により十分除去できることが分かった.冷却型CdTe-X線検出器を用いて発生するX線のエネルギー測定を行い,実際にエネルギーの異なる準単色パルスX線を交互に発生できることを確認した.並行して本年度購入設備備品である高感度EMCCDカメラを加速器ビームラインに設置して動画撮影の試験を行った.このために専用の架台を製作して真空容器に固定した.しかし,X線を可視光に変換するYAGシンチレーター取り付け部の遮光設計が十分でなかったため,予定していた陽子線励起X線を用いた撮影性能の定量的評価には至らなかった.代わりにX線管から発生する連続X線を用いて試験を行い,十分な画像分解能が得られることを確認できた.さらに画像の分解能を向上せるためのガラスキャピラリーを用いた陽子ビーム集束装置の開発を行い,数値シミュレーションにより当面必要な100μm程度までのビーム径が得られることを確認できた.
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Research Products
(4 results)