2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた高効率型遺伝子導入法の末梢血流障害治療への早期応用
Project/Area Number |
20300178
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺本 憲功 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (40294912)
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Keywords | イオンチャネル / 遺伝子治療 / ソノポレーション / ナノ医工学 |
Research Abstract |
本研究は、ナノテクノロジーおよびチャネルタンパク質の機能を応用し四肢の末梢血流障害の改善に向けた低侵襲性の新規遺伝子治療法を開発することを目的とした。血液中のエンドヌクレアーゼによる分解を防ぐために気泡膜に内包した『ハイブリッド・ナノバブル』中に『カリウムチャネル遺伝子』を封入し、『ソノポレーション法』にて血管平滑筋および血管内皮に対して非侵襲的に遺伝子導入を行なった。遺伝子導入効率とその効果に関してin vitroおよびin vivoの観点から詳細に解明し、末梢性血流障害への低侵襲性の新規治療システムの早期実用化を目指すことを研究目的とした。 下記の研究を実施した。 [1] 容器中で摘出した血管に対してKir6.2△C26C166S遺伝子を含むハイブリッド・ナノバブルを用いてソノポレーション法にて遺伝子導入した。培養後にKir6.2チャネルの機能についてパッチクランプ法、微小電極法およびマイオグラフ法にて確認した。さらに抗Kir6.2抗体による分子生物学的手法(ウエスタンブロット法・免疫組織化学法)にて評価し、チャネルタンパク質が発現していることを確認した。 [2] マイクロカテーテルの先端部に2つのバルーンを装備したダブルバルーンカテーテルを作製し、2つのバルーンで隔てられた血管内腔のみにハイブリッド・ナノバブルを投与し、経皮的に超音波照射し限局部に遺伝子導入した。麻酔下のウサギの大腿動脈内に新型カテーテルにてカニュレーションしKir6.2△C26C166Sチャネル遺伝子を封入したハイブリッド・ナノバブルを血管中に限局的に投与し超音波を経皮的に照射し遺伝子導入を行った。一定期間経過後、遺伝子導入した血管平滑筋を摘出し病理学的変化について組織レベルで評価し、電気生理的手法と抗Kir6.2抗体による分子生物学的手法を用いてin vivo状態における遺伝子導入効率および効果を評価し、チャネルタンパク質が発現していることを確認した。
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Research Products
(6 results)