2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた高効率型遺伝子導入法の末梢血流障害治療への早期応用
Project/Area Number |
20300178
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
寺本 憲功 佐賀大学, 医学部, 教授 (40294912)
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Keywords | ナノバイオ / 生体生命情報 / 遺伝子 |
Research Abstract |
研究の目的 本申請研究は、ナノテクノロジーおよびチャネル蛋白質の機能を応用し四肢の末梢血流障害の改善に向けた低侵襲性の新規遺伝子治療法を開発することを目的とする。血液中のエンドヌクレアーゼによる分解を防ぐために気泡膜に内包した『ハイブリッド・ナノバブル』中に『カリウムチャネル遺伝子』を封入し、『ソノポレーション法』にて血管平滑筋および血管内皮に対して非侵襲的に遺伝子導入を行う。遺伝子導入効率とその効果に関してin vitroおよびin vivoの観点から詳細に解明し、末梢性血流障害への低侵襲性の新規治療システムの早期実用化を目指す目的で研究を実施した。 研究実施内容と成果 さらに摘出したグラフト血管を滅菌容器に入れハイブリッド・ナノバブルを加え生理食塩溶液中でソノポレーションを行った(摘出血管へのソノポレーション)。滅菌容器中でKir6.2△C26C166S遺伝子を含むハイブリッド・ナノバブルを遺伝子導入した大腿静脈を自家静脈グラフトとして用い大腿動脈バイパス術を行い、移植一定期間経過後(1週~3カ月)移植した静脈グラフトを摘出し血管内膜肥厚の程度、血管炎症反応の有無、平滑筋増殖の有無など予後について病理的に評価したところ、炎症所見は観察されなかった。また残存維持されたKir6.2チャネルの機能についてパッチクランプ法にて計測し、チャネル機能が残っていることを確認した。また抗Kir6.2抗体による分子生物学的手法(ウエスタンブロット法・免疫組織化学法)にてその蛋白質の残存を確認した。しかし2カ月以上の標本にはKir6.2チャネルの機能は確認されなかった。現在、この結果をまとめ、原著英文論文を執筆中である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Evaluation of transfection efficiency in sketetal muscle using nano/microbubbles and ultrasound.2010
Author(s)
Kodama T, Aoi A, Watanabe Y, Horie S, Kodama M, Li L, Chen R, Teramoto N, Morikawa H, Mori S, Fukumoto M
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Journal Title
Ultrasound in Medicine and Biology
Volume: 36(7)
Pages: 1196-1205
Peer Reviewed
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