2010 Fiscal Year Annual Research Report
新生血管選択的な超音波造影ガス封入リポソームによる低侵襲性血管障害治療システム
Project/Area Number |
20300179
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
根岸 洋一 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (50286978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新槙 幸彦 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90138959)
高木 教夫 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (50318193)
高橋 葉子 (遠藤 葉子) 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (30453806)
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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Keywords | 超音波 / 新生血管 / 遺伝子導入 / リポソーム |
Research Abstract |
本年度は、分子標的型の新規超音波造影剤としてのAG73修飾バブルリポソーム(AG-BL)に遺伝子を搭載できるようにカチオニック脂質含有リポソーム(CtBL)の作製を試みた。さらにその遺伝子キャリアーとしての有用性をHUVEC、下肢虚血モデルマウスを用いて評価した。はじめにプラスミドDNAを搭載可能なバブルリポソームの作製を、カチオニック脂質DOTAPと中性脂質DPPCを用いて、リポソームを調製し、超音波造影ガス封入によるバブル化を行った。このバブルに蛍光修飾プラスミドDNAを添加したところ、バブル表面への結合がFACSより、確認できた。さらに、カチオニック脂質を含むAG-BLの調製が可能であること、FACS解析から、HUVECとの強い相互作用性も示された。そこでin vivoでの有用性を明らかにするために、AG-CtBLにルシフェラーゼ発現プラスミドを搭載し、下肢虚血モデルマウスに静脈内投与後、虚血部位への体外からの超音波照射を行ったが、有意な活性上昇は認められなかった。一方、ペプチド未修飾型のCtBLを用いた場合では、虚血部位において、顕著な遺伝子発現の上昇が認められ、in vivoイメージングシステムでも、虚血部位において、限局した発現が認められた。さらに、血管新生促進因子(bFGF)発現プラスミドをCtBLに搭載し、同様にモデルマウスに静脈内投与し、体外からの超音波照射をしたところ、qRT-PCR解析による血管新生関連因子の発現誘導とそれに伴う血流回復が認められ、本導入法の有用性が明らかとなった。 以上より、全身投与を可能とするCtBLは、低侵襲的な血管新生遺伝子治療システムの開発において、有用な遺伝子キャリアーとなりうることが期待された。AG-CtBLを用いたin vivo遺伝子導入法に関しては、今後の更なる検討が必要と考えられた。
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Research Products
(13 results)