2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体への負担軽減を目指した多周波超音波イメージングに関する研究
Project/Area Number |
20300181
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 いわき Shonan Institute of Technology, 工学部, 教授 (80192912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 好章 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60148377)
中村 健太郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (20242315)
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Keywords | スペックル低減 / 低速血流 / マイクロバブル / コンポジット材 / 多共振型振動子 / 非線形振動 / 和音成分 / ドプラ計測 |
Research Abstract |
本研究では,臨床診断における超音波イメージングの課題であった干渉性雑音の低減と低速血流分布のイメージングを実現しようとするものである.平成20年度ではそのための基礎的な研究を実施した.前者においては,多周波超音波を送波可能な新しい振動子を設計,開発を行い,後者においては実際の造影剤を用いたファントム実験によって多周波におけるドプラシフト周波数と流速の関係を調査した.まず,厚みの異なる2つのセラミック系振動子を接着して2MHzと8MHzに共振周波数を有する振動子を作成した.しかし,この振動子で送波される超音波の音圧レベルは非常に小さく,実用上問題がある.そこで,1-3コンポジット材を用いて振動子を作成した.2つの異なる厚み(それぞれの共振周波数:2MHzおよび6MHz)の振動子を接着して一体化した振動子を作成したところ,全体の厚みの共振周波数である1.5MHzとその整数倍である3.0,4.5,6.0MHzで共振を有する振動子を試作することができた.この振動子をインパルス電圧で駆動したところ,これら4つ周波数でビームが形成されていることを確認した.また,送波される超音波の音圧レベルは実用上十分であることを確認した.次に,造影剤による低速血流イメージングの基礎研究として次のような実験を行った.まず,2.8MHzと2.0MHzの超音波ビームを対向して交差するように振動子を配置した.シリコンゴム管(内径4mm)の中を水とともに造影剤(ソナゾイド)を流し,超音波が管内で交差するように超音波を送波した.造影剤による散乱波はハイドロフォンで受信されて,AD変換後コンピュータで和周波数(4.8MHz)成分が抽出され,ドプラシフト周波数が計算される.ドプラ周波数と流速の関係は線形であることを確認し,その比例係数は理論値と一致した.
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Research Products
(9 results)